2013年4月1日月曜日

プーケットオールドタウン祭り

2月中旬に、プーケットオールドタウン祭りへ行ってきた。中国系タイ人たちが中心となり、
錫の産出で栄えた「黄金時代」を懐かしむというローカルにして盛大な祭りだ。

我々はまず、順路に従いオールドプーケット写真館から見てまわった。
道路の真ん中に建てられた小屋には、半世紀くらい前のタウンの様子や本土と繋がる
サラシン橋の写真とともに、当時島を訪れた国王陛下の写真が数多く展示されていた。
むしろ国王陛下がメインのようだ。道路もないような赤土の上を歩かれている姿が印象的だった。

さらに即席写真館の外では、プロジェクターによる投写も行われていた。
中国ポルトガル様式の建物群に写し出された映像は、音声付きでガチャガチャしていたけれど、
とにかく当時の活気が伝わってきた。

そのままメイン通りへ向かった我々は、人混みの中でプーケット伝統料理の「ロバ」屋台を発見、
つまみながら学生たちのバンドやダンスなどを眺め、ぶらぶらとしながら入り口へ戻った。

すると、写真館付近の特設ステージではお年寄りのスピーチが始まっていた。
内容は、国王陛下が島を訪れた時の思い出話。半世紀も前の話を事細かに、
思い出をいつくしむかのように語る。年配のご婦人のひとりは、陛下の前で歌を披露したことを、
まるで昨日のことのように嬉しそうに話していた。

この時以降、国王陛下は島を訪れていない。その後プーケットの錫産業は衰退し、
今では世界有数のビーチリゾートに生まれ変わった。
新しいものばかりを追うような日常で、古き良き時代を振り返ることは大切だと思う。
実に良い祭りだった。

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