2012年11月26日月曜日

意外と厳しい?タイの交通取締り

先日、イサーン料理屋さんで食事をしようと、いつものように路上駐車をした。最初は店の向い側、つまり、店からみると反対車線のほうに停めようと頑張ったのだか、コンパクトカーちょうど1台分と思えたそのスペースには、やけに大きなゴミ箱がありぴったり幅寄せできない。

ふと店のほうをみると、小さな空き地に友人の車が停めてあるのがみえた。そして、その鼻先にやはりコンパクトカー1台分とみられるスペースが。友人の車をブロックする形になるが、どうせ一緒に帰るのでよかろうと判断し、ひょいっと通りを渡ってそこに駐車した。

やっと友人たちに合流してガイヤーンやソムタムをつついていると、タイ人の友人が、「今日はあそこに停めたの?あの向きはちょっとまずいかも」といい出した。私が気になったのは、友人の車を遮るように停めたことだったが、なんと「向き」がまずいという。

つまり、進行方向に逆らって駐車しているのがいけないという。いくらしっかり幅寄せして、他の通行車両の邪魔になっていないとしてもだ。日本人の友人と「えええーっ!?初耳!!」と驚いていると、タイ人の彼は「土曜日の夜だし、交通警察も見回りにはこないと思うから(そうなのか?)、次から気をつけたほうがいいよ」と流した。

日本人の友達と、「もっと厳しくすべきところが山盛りなのにねぇ、バイクの無謀運転とか逆走とか。T字路の信号無視とかムリな追い越しとかさっ!」と呆れてしまった。

しかし、いつの間にか別の話題で盛り上がり、、食事のほうもさらに牛肉のあぶり焼きやゲーンリヤンがでてきたころ、今度は店のおじさんが、「あの車、向きがまずいから空き地に移動したほうがいいよ」といってきた。店の人がそういうなら仕方ない。空き地のほうもスペースができていたのですぐに移動してきた。

おじさんいわく、大通りなので(メールアンです)警察も通ることが多いと。実際に、私みたいに反対向きに駐車して切符を切られた人も過去にいたとのことだ。

移住して間もないころ、プーケットタウンにて駐車違反の切符を切られたことがある。私が停めた側の道路は偶数日しか駐車してはいけなかったのだが、私はそれを知らず、「やけにすいているな、ラッキー」と思ってしまったのだ。

在島12年。優良ドライバーと思っていたけれど、まだまだ知らないことだらけである。

プーケット島のトンデモ祭り、ベジタリアン・フェスティバル

今年もこの季節がやってきた。今やその痛々しさが世界的に有名になりつつある「ベジタリアン・フェスティバル」である。太陽暦の9月1日から9日間行われるこの祭り、今年は10月15日からの開始となった。

中華系のお祭りだけにタイ全土で行われるのだが、プーケット島のそれだけは、奇祭として未知の刺激を求める世界中の人たちの注目を浴びるようになってしまった。タイ国政府観光庁(TAT)も積極的にこれを利用し、近年では特設ホームページ(英語)まで用意する始末。期待を裏切ってはいけないとして、島の人たちもさらに気合を入れている(ようにみえる)。

この祭りの奇祭たる所以は、ずばりその痛々しさ。別名「串刺し祭り」といわれるように、頬に串やら刃物やらを突き刺した白ずくめの団体さんが街中を練り歩くのだ。中には拳銃のように物騒なものや、マイクスタンドや自転車といったどでかいブツを貫通させている猛者もいる。

さて今年は、シンガポールから18年来の友がこの串刺し祭りを見にやってきた。彼は10ヶ月前から、「来年のスケジュールはわかるか」だとか、「宿はどこにしたらいいか」とか騒いでいた。私が祭りに興味ないものだから役に立たず、結局は自力で色々調べてやってきた。

待ち合わせ場所にした食堂には、祭りの掟どおり白い服を身にまとった友がやってきた。バックパッカー時代の友達4人も白ずくめだ。メンバーは、医学博士の我が友を筆頭に、医者やらIT系やら各国で活躍中のエリート揃い。既に朝の串刺し行列をみた後ということもあり、この奇祭について熱く意見を交わしていた。

我が友はプーケットタウンに2泊し、朝はメイン会場に参拝、夜は「火渡りの儀式」を見にサパンヒンまで足を運んだ。先進国ではまず見れないような光景に、エリートの面々は何を思ったのだろう。

そして日常に戻った友は、さっそく旅の写真をメールしてくれた。祭り関係はデータが膨大らしく、圧縮してある。解凍するのに勇気がいるが、データの量が友の満足度を表わしているようで安心した。忙しい友のプーケット島での非日常は、まんざらでもなかったに違いない。

2012年9月26日水曜日

タイ、観光大国、さらに成長中!



バンコクの旧メイン空港が、スワンナプーム空港のサブ空港として正式稼動することになった。タイ空港社では、これでスワンナプーム空港の深刻な混雑を緩和する作戦だ。

かつてタイの玄関口として知られたドンムアン空港は、新空港が開港した2006年以降チャーター便や一部のLCC(ローコストキャリア)が利用するだけ。数年前からは、メンテナンスハブにするとか、航空訓練ハブにするとか、航空博物館を併設するとか色んな案がでていた。

ところが、近年スワンナプーム空港の利用者が増加し続け混雑問題が深刻化、拡張工事は時間がかかるし人員補充も難しい・・・ ということで、ドンムアンが再注目された。タイ空港社ではドンムアンにLCCを誘致しようと必死で、ついにLCC最大手のエアアジアが10月からの移転に合意したことで目的を達成できる見通しとなった。

エアアジアだけで年間利用者数が800万人近くだから、確かにスワンナプームの混雑は少しばかりマシになるのではないだろうか。

スワンナプーム空港は、年間旅客処理能力の4500万人を超えたあたりから出入国の混雑が異常レベルに達し、職員もサービスも滑走路も何もかも不足。今年の年間利用者は5220万人に達するとの予想で、キャパ越えもいいところだ。

こうしてみると、改めてタイを訪れる外国人の多さに驚かされる。バンコクは、去年の大洪水、一昨年は過激反政府デモと災難続き。でも観光客は増えている。

私が暮らすプーケット島の空港も、年間旅客処理能力はとっくにキャパ越え、現在何度目かの拡張工事中だ。年間800万人の観光客がこの島を訪れているというから、道路の渋滞も納得。その割には、昼間からぷらぷらしている人は多いし、あまり景気のいい話を聞かないのが不思議なんだけどね。






2012年8月31日金曜日

初めての入院-タイ・プーケット

在島12年目にして、初めて病院にお泊りする事態となった。といっても私自身がどうにかなったわけではない。遊びに来ていた母(72歳)が夜中に腹痛を起こして緊急入院となったのだ。
明晩には日本へ帰るという日の夜中、ホテルでとっくに休んでいるはずの母から電話が来た時にはびっくりした。会話もやっとの様子の母に変わり、日本語を話すホテルスタッフが「これから総合病院に行きますから」と説明してくれた。

急いで駆けつけると、救急センターで寝台に横たわった母がいた。かなり苦しそうなので入院することになり、間もなくに個室に運ばれた。点滴を始めてもなかなか痛みお症状が治まらなかったが、夜明けごろには少々落ち着いたので、一緒に来てくれた母の友人と私も少しうとうとした。

これまでもお見舞いで入院病棟には来たことがあったが、総合病院の個室はちょっとしたホテルの部屋のようで付き添いもゆっくりできる。トイレ・シャワー完備というのも、母のような症状の場合は特にありがたい。深夜でも、なにかというと夜勤のナースが見に来てくれて心強かった。全ての職員が忙しそうな日本の病院とはずいぶん違う。

母はキャッシュレスの旅行保険に加入していたので、手続きのほうも所定の用紙に記入するだけ。こんなんでいいの?と思うくらいに簡単だった。
はら痛で点滴してるのに、朝8時にはエビ粥の朝食が運ばれたのには苦笑したが、そういえば以前、友人のお見舞いに行き友人が手をつけなかった病院食を食べてみたことがあったな。

日勤の医師は、「たぶん今晩の飛行機には乗れると思うけど、もう少し様子をみます」と診断。その後母はメキメキと元気を取り戻し、お昼ごろには顔色も回復、2本目の点滴を開封して少ししたころに退院できた。血液検査もしたが、腹痛の原因は胃腸炎らしいとのこと。辛いものが大好きの母、確かにその日はとびきり辛いものをひとりで食べまくっていた。

予定どおり、深夜発の飛行機にのるところを見送った時にはホッとすると同時に、やっぱり少し不安そうな母の姿に胸がつまった。
この島で病院にかかる旅行者は多い。今回のことで「さすが国際病院は安心だな」と思ったと同時に、我が母もとうとう好物さえ控える年齢になったか・・・ともの寂しくなってしまった。

2012年5月31日木曜日

White Prison”プーケット刑務所 表彰!

刑務所の所持品検査で、禁止品の携帯電話などが大量にみつかったというニュース、
タイの新聞ではすっかりお馴染みとなっている。
今月は中部ノンタブリ県内の重罪受刑者ばかりが収容されている刑務所で一斉検査が行われ、携帯電話28個のほか、テレビ、DVDプレイヤー、MP3プレイヤーなど多数がみつかった。

毎回問題とされるのは禁止品の入手経路だが、たいていの場合は看守が関与しているという結論に落ち着く。そのわりには、具体的にお咎めを受けたとかいう話はほとんどきかない。あとは、かなり原始的だが、施設の壁越しに投げ入れるという手口。
中には、壁の向こうがいきなり繁華街という立地の刑務所もあり、壁越しに色々なものが飛び交っているという。

刑務所に持ち込まれる携帯電話は、多くの場合において薬物の密売のために使われる。
塀の中から仲間に取り引きの指示を出すらしい。だから、刑務所を管理している矯正局のほうも、所持品検査を通して携帯電話の没収に躍起となっている。

ところで、所持品検査の際の携帯電話の隠し場所だが、最近では肛門というケースが多いとのことだ。何度も跳躍をさせられると隠していたものが出てきてしまうというから、想像するとなんだかもの悲しい。中には勇敢にも2個を詰め込み、腸壁にひっかかって病院に運ばれた受刑者もいるという。

さて、そのノンタブリ県内の刑務所で実施された一斉検査では、今回薬物反応検査も行われた。200人以上が陽性反応だというから驚愕だ。

プーケット島にも、常に収容率100%超えの刑務所がある。最近行われた所持品の抜き打ち検査では、なんと薬物も携帯電話もいっさい発見されなかったとのこと。この結果が評価され、近々表彰を受けるという。
こんなところにもプーケット島ののんびりしたところが表れているようで、なんだか微笑ましく思ってしまった。

2012年5月2日水曜日

最低賃金、上がったそうです・・・。タイで働く。

4月から、タイ国における1日あたりの法定最低賃金が300バーツ(約822円)に引き上げられた。 
 
なんと一気に40%のアップだから、労働集約型産業などへの負担は膨大で、経営が成り立たないため近隣国への移転や閉鎖をも考える工場も既に出てきているという。

これまでの引き上げといえば年間せいぜい2バーツから5バーツ程度。
2011年度はバンコクで215バーツだった。これが一気に85バーツ、17年分も上がったようなものだから、いくら物価が上昇しているからといっても異常だ。

なお、今回の引き上げはバンコクなど7都県で先行実施され、政府では、残りの県も来年には適用させたいとしている。最低賃金なんて地域によって違うのに、まさかの全国統一が強行されようとしているわけだ。

収入が増えて消費拡大、国の経済がよくなるのであればいいが、なんだか様子が違うような気がする。政府が焦ってこの時期に押し切ったのには、色々意味があるようだ。

さて、我らがプーケット島もこの先行7都県に入っているわけだが、別に夫の給料も私のバイト代も上がる気配はない。まったくない。まぁ、工場は少ないし、従業員の多いホテルなどでは既に1日300バーツ前後、月給7500バーツ(20,550円)以上もらってる人がほとんどだしな。 
 
逆に、低賃金の肉体労働系は移民などが多く政府の監視も届かないから、日当300バーツになんてならないだろうし。

でも、これを機に、また値上げする飲食店とか増えるんだろうなぁ。
タイ商工会議所では、「賃上げの影響が顕著になるのは2013年から」と予想。即席めんが1個5バーツという時代も、そろそろ終わりなのかもしれない。

2012年3月27日火曜日

たんこぶ2つで済みました・・・

いつも新聞の3面記事などをネタにしている私だが、先日は、あやうく自分が載ってしまいそうな事故に遭遇してしまった。在島12年、初めて命の危機を感じた出来事である。

その日は、普段から親しくさせてもらってる友人4人とシレイ島で早めのディナーをすることになっていた。私たちお気に入り、海辺のローカル食堂だ。この食堂、あまり商売っ気がなく夜8時には店じまい。なので私たちはいつも5時くらいには集まり、水平線や遠くに浮かぶ島などの景色をみながら食事を楽しむことにしている。手付かずの自然があふれるところなので、暗くなったら景色もなにもない。

その日も夜7時半には「そろそろ解散かな」という雰囲気に。すると急に風が強まり雨が降ってきた。いかにも南国らしい、季節の変わり目の天気。私たちも別段あわてることなく、「おさまるまでゆっくりしていこうか」ということになった。テーブルのあるところは、屋根にトタンを張っただけの簡易なつくり。すぐそこは海だし、壁がないので突風がすごい。

いよいよ雨が吹き込んできたので、男性陣が雨よけのビニール幕をおろし始めた。食堂のおじさんは忙しいので、こういうのは客のセルフとなる。とりあえず雨がよけられてホッとする我々。すると突然、雨風の音に交じってバリバリという轟音が響いた。同時に頭上の屋根が柱ごと倒壊、一瞬でみんな下敷きになってしまった。

電灯も引きちぎられて真っ暗な中、一同テーブルの高さまで腰をかがめて唖然。そんな中、
誰かが携帯電話を懐中電灯代わりにして瓦礫の中から出口を確保、みんなで這いずって近くのトイレまで避難した。外はもはや暴雨風で、ほんの数メートル先の食堂入り口までが遠いこと!

互いの安全を確認しあった時には、みんなずぶ濡れだった。さっきまで食事していたほうをみると、ぺしゃんこ屋根の残骸が。ゾッとする光景だったが、幸い重傷者はいなかった。
後で聞いた話だが、感電したら大変なので、倒壊と同時に食堂のおじさんが電源を切ったという。

頭にたんこぶ2個をつくった私と脇腹を強打した友人は、念のために翌日病院へ。たいしたことはなかった。医療費は食堂の隣の店のオウナーが払ってくれた。なんとこの事故、隣の店の屋根が突風で倒れ、私たちのいた屋根に寄りかかったのが原因。なんでも隣は屋根を修繕中で、柱の土台が固まりきっていなかったのだという・・・ 

もはや誰の責任かわからない事故だが、たいしたけがもなくて不幸中の幸い。たんこぶ痕をさすりながら「宝くじでも買ってみようかな」と思う私は、いよいよ「タイ化」が進んでいるのかもしれない。

2012年3月6日火曜日

運転手 逃走の理由-タイでの交通事故

タイは交通事故の多い国だ。中でもプーケット島は、毎年ワーストランキングのトップ常連という不名誉。マナーやゆずり合いなんて言葉は、はなから気にしていないような運転が目立つ。最も多いのはオートバイによる事故だが、主に新聞に載るのは観光客などを乗せたバンやバスの事故で、実に多くの場合において、運転手が現場から逃走している。

こんなニュースをみるたび、「無責任にもほどがある!」と憤慨していたのだが、最近になって、なぜこうも多くの運転手が逃げてしまうのか、その謎がとけた。知人のベテラン運転手によると、意外にも、彼らが恐れているのは事故現場での「袋叩き」なのだという。

例えば、小さな村などで子供をはねてしまったような場合、警察が来るよりも早く、感情的になった村民たちが運転手を引きずり出して痛めつけることがあるというのだ。濃厚な「ムラ社会」ならではの制裁といえよう。 
 
そういえば、この国の集団はなかなか過激だ。記憶に新しいのは反政府デモの無法ぶり。
事件がらみでは時々、出所したばかりの犯人を被害者含む村民で嬲り殺した、なんていうのもある。

こうした背景から、「事故を起こしたら、まず現場を離れる。ほとぼりが冷めたら、警察に行く」というのが運転手たちの間で定説となったようだ。もちろん、警察には行かず、逃走したままの人もいるだろうが・・・
ちなみに、現場を即効で逃げ出しても、あとで警察に出頭すれば、基本的にばっくれそのものに対するお咎めはないという。
なるほど、交通法規よりも社会的制裁のほうが恐ろしいわけだ、納得である。

2012年2月1日水曜日

タイでも急増、振り込め詐欺

いつの間にやら、銀行のATMのところに「振り込み詐欺に注意!」とやらの警告をみかけるようになったが、タイでもこの手の詐欺がほんとうに増えているらしい。
今月には、68歳の女性が総額2750万バーツ、日本円にして約7000万円を騙し取られたという
ニュースまで飛び込んできて驚愕だ。

去年あたりからタイでは、政府の「資金洗浄対策室」という、マネーロンダリングを取り締まる機関を名乗った振り込め詐欺が急増している。要は、「アナタが捜査対象となった。いうとおりに送金しなければ起訴されるし、おカネも没収されるよ」と脅してくるのだ。

この女性は、大金を269回に分け、75か所の指定口座に振り込んだという。
ぶっちゃけ、後ろめたいところがあったはず。そうでなければ、もっと早く警察に通報していただろうから。
名前を悪用されている資金洗浄対策室のほうは、「当室の職員が個人レベルで振り込みを指示することはないので、十分注意してほしい」と市民に呼びかけている。まったくだ。ここで興味深いのは、犯人団が誰をターゲットにしているか。

手当たり次第に電話をかけまくっているのかもしれないけど、案外、マネーロンダリングの
「あやしい人物リスト」なんかをもとにしているということも考えられる。
となると、そのリストの入手先は・・・?

ちょっとした「心づけ」で、物事がスムーズにいくことが多いタイ。去年バンコクの私大が行った調査では、市民の6割以上が、「国家が繁栄し、国民(自分)の生活が向上するなら、汚職もしかたない」と考えていることがわかった。資金洗浄対策室など政府機関の名を語る詐欺、今後はさらに増えるかもしれない。