2011年11月13日日曜日

タイ暮らし、感情抑えて受け流せ! 1.8バーツの支払いを拒否した殺人事件

なんでも値上がりでうんざりしていたところ、なぜだかわからないが、急にガソリンが値下げされたので慌てて給油所へ行ってきた。電車も地下鉄もない、路線バスさえも当てにならないこの島では、車かオートバイに乗るしかない。だから、ガソリン価格がダイレクトに生活にひびいてくる。

半信半疑で給油所へ行くと、本当に値下げされていた。なので、いつもよりちょい多めの700バーツ分でオーダー。ちなみに、マイカーの燃料は政府奨励エタノール混合の「ガソホール95」だ。国産の原料を混ぜて、原油の輸入を抑えようという政策。エタノールはキャッサバ芋から作れるからね。

というわけで、700バーツを準備して給油が終わるのを待っていると、店員のお兄ちゃんがにこにこしながら、「500バーツにしちゃった」というではないか。えーっ!と思ったけど、待ちの車も多いし、お兄ちゃんの笑顔に免じて許すことに。些細なことじゃないか。毎日車を運転するわけじゃないから、これで2週間は持つ。ちょろまかされた訳でもないし。

実はこの時、少し前に新聞で目にしたニュースが頭をよぎった。わずか1.8バーツ、日本円にして6円足らずが原因で起きた殺人事件。タイ東部の給油所で、600バーツ分のガソリンをオーダーした客が601.8バーツ分を給油されて激怒、1.8バーツの支払いを拒否した。しかし、店員も負けずにあくまで601.8バーツを請求、口論の末に客を拳銃で撃ち殺してしまった。

「1.8バーツくらい払えよっ」とか、「ミスったんならそのくらい自腹切れっ」とか、「店員がなんで拳銃持ってんだよっ」とか、つっこみどころの多い事件だが、この国ではムダに感情的になってはいけない、ということを思い出させてくれた。なんでも「マイペンライ」というわけではない、微笑みの裏に隠れた影の部分を。

というわけで、最近はイラつくことでもできるだけ受け流すように努めている。目くじら立てて恨みを買ったってしょうがない。おつりのちょろまかしだって、笑みを浮かべてやんわり抗議。これで夫への不満も流せれば、家庭円満なのだろうけど。まぁ、菩薩さま並の修行が必要だろうな。(2011年10月)

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